初めてのアクションに満身創痍で挑み、
新たな魅力を開花させたハマリ役



 今春、シリーズ11作目を刊行した人気ハードボイルド小説〈ススキノ探偵シリーズ〉の2作目「バーにかかってきた電話」(東直己(あずまなおみ)著/ハヤカワ文庫)を、ドラマ「相棒」のスタッフが映画化した「探偵はBARにいる」が間もなく公開される。札幌の歓楽街・ススキノを拠点に活動する探偵・俺(大泉洋)が、謎の女からの電話をきっかけに陰謀に巻き込まれ、相棒・高田(松田龍平)と真相解明に奔走する姿を描く。
 男なら一度は憧れる探偵。しかも、物語の舞台は大泉が愛してやまない故郷・北海道とあって、「何が何でもやりたい!」と出演を即決。台本の段階から積極的に参加したという。「〈俺〉はダメなところもいっぱいありますが、仕事に対して真摯(しんし)。過酷な状況でも諦めない姿勢は、かっこいいと思う」。そんな〈俺〉のかっこ良さは、初めてのアクションに満身創痍(そうい)で挑んだ自身にも通じる。「雪に埋められるシーンは辛かった。僕、閉所恐怖症なんですよ。車のトランクに閉じ込められる場面も、カメラが回るギリギリまで『扉閉めないで!』って懇願していました」と、苦労を少しも感じさせない笑顔で振り返る。


 完成した作品を見て、「今まで見たことのない自分に驚いた」という。いつものユーモラスな空気を纏(まと)いつつも、クールで、ときに感情を爆発させる〈俺〉は、つかみどころのない魅力的なキャラクターだ。札幌や小樽の街を駆け抜ける姿も印象的で、スピード感ある展開に一気に引き込まれる。クライマックスでは雪が効果的な演出を果たし、心地よい余韻が残る。新たな一面を開花させた大泉のハマリ役。原作同様、シリーズ化に期待が膨らむ。

 

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來源:http://www.asahi-mullion.com/column/interview/index.html

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